感想らしい感想なんて持てない【感想】転落
装丁の菜の花の写真と、そこに書かれた「転落」の二文字。そのギャップが気になり手にした一冊。永嶋恵美著、2010/1/6第9刷発行、講談社文庫
概要
ホームレスになった「僕」
主食は、近所の墓地の御供え物
しかし、その日は、たまたま小さな人神社のお供え物が目に入った
美味しそうなお萩が2つ
はやる気持ちを抑えて近づき、お萩を手にしたその時「僕」の運命は変わった
弁当を、食料を、日々運んでくれる小学生の女の子・マユ
やがて完全に「餌付け」された「僕」は、マユとの微妙な共犯関係を築いていくこととなる
そして、再会してしまったかつての親友
その再会が運命を狂わせながら全てを飲み込み、救いようのない奈落への「転落」へと誘う
私的評価
50点。
嘘、大げさ、紛らわしい。ジャケ買いの失敗例。
感想
本裏の解説を引用すると、、、
「(略)見せ掛けの善意に隠された嫉妬・嘲笑・打算が醜くこぼれ落ちるとき、
人は自分を守れるのか!? 驚愕の心理サスペンス。」
この文言に完全に騙された。完敗。
嘘やない。でも良いように言い過ぎ。
切羽つまった場面でも言葉が空回りしていて、感情が伝わってこない。
焦っている人間の描写を、「焦った」とだけ記述されたような感覚。
感情移入出来ない、臨場感がない、リアリティに欠ける。
浅くて薄くて軽くて無味無臭。
なぜ9刷までいっているのか、非常に疑問。
一回の刷り数がよっぽど少ないのか、
こちらの感覚が腐っているのか。
いずれにせよ、自分には合わない。
二度と、この方の作品は読みません。