【感想】藤原伊織氏の最初にして最高傑作「テロリストのパラソル」
江戸川乱歩賞と直木賞のW受賞作。幾度も目にするも、タイトルに惹かれず無視をしていた作品。ただ、なぜかその日はいつも以上に目につき、とうとう3軒目で購入。それでもしばらくは積ん読に講談社の1995年3版です。
あらすじ
主人公は、すでに時効となった20年以上前の事件から逃げ続けるアル中のバーテンダー。
毎日の日課である、寝起きの散歩。いつものように公園でウイスキーを飲み、手の震えを抑えていた。
その日は土曜日で、天気は抜群。いつもより人の多い公園で、白昼、爆破テロが起こる。
かつての友人と同士、
新興やくざと老舗やくざ、
幼い娘と高級官僚、
テロリストとホームレス、
様々な背景を持つ人物と、様々な偶然に翻弄されながら事件の真相を探る。
そしてその結末は・・・
私的評価
75点
100円でこの内容なら満足!偶然に頼り過ぎている感は否めないですが、非常に読みやすく、ハードボイルドとしては及第点。
感想
これがデビュー作とは思えない。直木賞受賞も納得の内容。
作者は若くして亡くなられ、残された作品が少ないというのは非常に残念です。
私的なイメージですが、ハードボイルドには濃い紫色の雰囲気・空気感が欠かせないと思ってます。「夜」や「闇」が似合うアングラな雰囲気。
この作品はそこに黄緑色が少し画面の端に混ざっている様な印象です。
テンポが良く、一気に読んでしまいました。
でも「引き込まれる」というのとは少し違う。
主人公にあまり感情移入が出来ない。作品の視点は常に主人公なのに、それを瞰して読んでしまいました。
どちらかというと、インテリヤクザを応援してしまった。
おそらく作品が悪いのではない。
正直、自分の感想を上手く表現できません。
感想の輪郭は表現できても、肝心の部分は全く言葉が出てこない。
それはこの作品に限ったことではないのですけど、、、
ここに書き続けることで少しでも語彙力と表現力を磨ければと思います。
なので、中途半端ですが、今回はこの辺で失礼。